8月26日(金)④吉田の火祭り(山梨県富士吉田)

吉田の火祭りは日本三大奇祭の一つにも挙げられているもので富士の麓の町、上吉田にて毎年8月26日、27日に開催されている北口本宮冨士浅間神社諏訪神社(本社は長野県)の両社のお祭りです。火祭りの起源は諸説あるようですが最も広く知られているものは古事記からの神道説による、木花開耶姫命という祭神が浮気の疑いをかけられ身の潔白のため猛火の小屋の中で3人の子供を出産したことになぞらえて火を焚くようになった、という説らしいです。500年以上続くお祭りで2012年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

 

予定では沖縄の全島エイサー祭りを見に行く予定でしたが金銭面とスケジュール的に余裕がなさそうだったことと、後日離島の方で別の伝統的な祭りが催されるということで今回は見送り、鈍行で東京に帰ることにしました。その帰りがけにちょうどこの吉田の火祭りが行われると知り、卒制の調査の方向性とは違うお祭りですが伝統的で何より派手な奇祭と知り興味が湧いたので、今回立ち寄って拝見してきました。

 

前日、帰路の道中の地元京都にて一泊し、翌日鈍行を乗り継いで最寄駅の富士山駅に16時頃到着しました。到着した頃にはすでに本殿祭や奉還は終わっていたので神輿と点火だけ見て帰ろうと思い、始まる18時頃まで吉田の町を歩いて回ったり近くのスーパー銭湯に入ったりなどして時間をつぶしました。

 

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町のいたるところにはすでに松明と呼ばれる点火のための巻が積まれて置いてあります。

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町のどこからでも富士山が望めます。

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18時頃に中心地の上宿交差点付近に行ってみると既に人で賑わっており、法被を着た人たちもたくさんいました。間もなく神輿を担いだ男たちと見物人が大挙してやってきました。この時点でなかなか派手な雰囲気が出ていました。

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全体を通して結構怖めな人が多いなあと思いました。

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富士山まで続く坂の麓の金鳥居から伸びる沿道がメインロードになっており、19時の点火までそこを歩いて祭りの様子を見て回ることにしました。この道の中心には等間隔で市民団体やスポンサーなどから奉納された大松明という大きな松明が置かれています。雰囲気は縁日に近く出店が道沿いにどこまでも続いていて若い人からお年寄りの方までたくさんの人で賑わっており、この時点ではこれまで訪れた祭りの中でも一番いわゆる「お祭り」といった雰囲気です。何より外国人の観光客が他の祭りと比べとても多く観光資源面での役割も相当強いように感じました。

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アイドルもいました。

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19時になりいよいよ点火の時となりました。メインロードに置かれた大松明に次々と火付け役の方たちにより火が点けられていき、その火柱の並ぶ光景は予想より遥かに激しいものでそして何より熱かったです。祭りには子供もたくさん参加していますが大松明には特に柵などはなくこれで毎年怪我人が出ないというのですからすごいです...。

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夜が更けるに連れて火の勢いも強くなっていきます。横を通りがかるだけで本当に熱かったです...。

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このお祭りには特に演目等があるわけではないのでお祭りの雰囲気を楽しんだ後御旅所などを訪れその後、国分寺までの終電車に乗って帰りました。

 

私が卒制のテーマに扱っているのは歌や踊りなどのいわゆる技術や作法の伝承ですが今回の吉田の火祭りのような風習を受け継いでいる祭りもあり、これらの関連性について調べていくと後々思いがけない発見があるかもしれないですね。